5つの研究グループ

地球惑星科学が対象とする領域は、地殻・マントル・コアから成る固体圏、大気・海洋から成る流体圏、固体圏と流体圏の境界領域に広がる生命圏及びその総体としての地球システム、さらに太陽系を構成する惑星・衛星から宇宙空間にまで及んでいます。
本専攻においては、広い視野と深い専門知識を併せ持った創造性豊かな研究者を育成すると共に、社会的要請に答えることができる幅広く確かな専門知識を持った研究技術者を養成することを目標としています。

大気海洋科学

大気や海洋の中の地球規模の流れや複雑な乱れはどのように生じるのか、その変動を正確に予測するには何が必要なのか。
大気と海洋の科学は、集中豪雨や干ばつなどの異常気象の原因となる気候変動、温暖化に代表される気候変化、オゾンクライシスといった重大な環境問題に適切に対処するための基礎であり、その社会的使命はますます重要になっています。

宇宙惑星科学

地球をとりまく宇宙空間、太陽系内外の惑星、宇宙プラズマなどを研究の対象としています。
隕石をはじめとする宇宙起源の物質の精密分析、探査機での物理量直接観測、惑星の高額遠隔観測、さらには、理論解析・コンピュータシミュレーションや室内物理実験まで、さまざまな角度から研究を行っています。
特に、地球磁気圏・惑星探査や太陽大気観測ではJAXAと協力しながら、観測データ解析や装置開発などの研究・教育を推し進めています。

地球惑星システム科学

太陽系内空間、地球や惑星における電磁気圏、大気圏、水圏、生物圏、固体圏などの領域は、様々なフィードバックを通じて互いに影響を及ぼし合いながら、数秒から数億年という幅広い時間スケールで変化・進化を続けています。
地球惑星システム科学では、多様な分野の知見を統合し、惑星系とその表層環境の形成・維持、そこに育まれる生命の進化について、総合的・俯瞰的に理解することを目指します。

固体地球科学

地球はどのように誕生し、進化してきたのでしょうか?現在の地球はどのような物質で構成され、どのような構造を持ち、どのような運動をしているのでしょうか?
大陸の移動や、時に甚大な被害をもたらす地震や火山の活動、方位磁針を北に向ける地球磁場の存在、これらは生きている地球の一側面です。これらの課題を様々な時間・空間スケールで研究解明していくのが固体地球科学です。

地球生命圏科学

生命活動が営まれる地球の表層や地下では、岩石圏・水圏・気圏の間での様々な相互作用が起きています。
この地球生命圏と呼ぶべき環境における、長い時間軸を通じた生命の誕生・進化、そこに特徴的な物質の循環や形成条件などを解き明かしています。