学際理学講座(KEK・物質構造科学研究所)

 物質構造科学研究所ウェブサイト

高エネルギー加速器研究機構(KEK)・物質構造科学研究所では、加速器によって発生させる量子ビーム(放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子)を用いて、物質や生命の構造と機能に関する研究を進めています。現在、東京大学大学院理学系研究科には、地球惑星科学専攻・量子ビーム地球惑星科学分野の船守研究室と化学専攻・放射光化学分野の雨宮研究室がある他、新領域創成研究科に構造生物学分野の千田研究室があり、東京大学の大学院生を受け入れて、研究・教育を行っています。

KEKは、量子ビームの発生・輸送から加工・利用(実験)までの全過程の専門家を有する大学共同利用機関法人です。大学共同利用機関法人では、各大学が単独で維持・運営することの困難な大型の装置・設備を大学等の研究者に供与しています。Photon FactoryやJ-PARC/MLFなどが、これに該当します。現在、地球惑星科学専攻の幾つかの研究グループがKEKの施設を利用していますが、地球惑星科学の研究室が物質構造科学研究所に誕生したことで、今後、更に利用が増加していくものと期待されます。

KEKの研究室に所属することのメリットは?

まず、第一に挙げるべきは、量子ビームの発生にまで遡って、最上流から研究を組み立てることが可能なことでしょう。既成の装置・技術を上手く利用して行うサイエンスも重要ですが、独自の装置・技術を開発して行うサイエンスが極めて重要であることは説明を必要としないと思います。専門家集団の手厚いサポートにより、これが高い次元で可能になります。第二には、全国の研究者との交流が挙げられるでしょう。長期滞在する様々な分野の研究者との交流(相互作用)は、新しい発想の根源となり、また、研究者としての人脈の形成につながります。特に、KEKでは、地球惑星科学分野に留まらない交流が可能なところに特徴があります。

どんな研究室?

当学際理学講座は、基幹講座(本郷の固体地球科学講座)にあった船守研究室の移転に伴い、東京大学とKEKの協定書を改訂することで、2016年4月に設置された新しい講座です。施設を利用する立場であった当時よりも、量子ビーム利用の面ではより深く、研究対象の面ではより広く(地球惑星内部に限定せず)、地球惑星科学に取り組みたいと考えています。物質を扱う実験系を志望する皆さん、遠慮せずに連絡をください。施設見学も歓迎します。