地球惑星科学が対象とする領域は、地殻・マントル・コアから成る固体圏、大気・海洋から成る流体圏、固体圏と流体圏の境界領域に広がる生命圏及びその総体としての地球システム、さらに太陽系を構成する惑星・衛星から宇宙空間にまで及んでいます。
本専攻においては、広い視野と深い専門知識を併せ持った創造性豊かな研究者を育成すると共に、社会的要請に答えることができる幅広く確かな専門知識を持った研究技術者を養成することを目標としています。
修了に必要な単位数 | 必修科目 | 必修科目単位合計 | 講義・演習で取るべき単位 | |||
地球惑星科学論文講読 I, II | 地球惑星科学コロキウム I, II | 地球惑星科学特別研究 I, II | ||||
修士課程 | 30 | 2 | 2 | 10 | 14 | 16 |
博士課程 | 20 | 2 | 2 | 10 | 14 | 6 |
大学院における教育課程は下図のようになっています。それぞれの学生の学部教育のバックグラウンドに応じ、基礎的勉強と専門性の高い勉強を自在に組み合わせ、カリキュラムを組むことが可能となっています。
修士課程入学試験 | 修士課程 | 博士課程入学・進学試験 | 博士課程 | ||
実習・演習科目 基礎・専門科目 論文購読 コロキウム 特別研究 |
修士論文審査・最終試験 | 実習・演習科目 専門特論 論文購読 コロキウム 特別研究 |
博士論文審査・最終試験 |
大学院修士課程では、広い視野と深い専門知識を兼ね備えた専門研究者、専門的研究技術者の養成を目指した教育を行なっています。本専攻修士課程入学者の半数近くが本学理学部以外からの出身者であり、学部段階で地球惑星科学の専門教育を受けてこなかった者も多いことから、修士課程のカリキュラムに「一般基礎科目」を設け、地球惑星科学に共通する一般的基礎知識が習得できるように配慮しています。
学部の講義も受講することが可能であり、単位もつきます。専門教育の学習のためには専門基礎科目を精選して配置し、博士課程での先端的研究に必要な専門的基礎知識が体系的に修得できるように配慮しています。
また、興味や理解の程度に応じ、主に博士課程の学生を対象とする専門特論や集中講義などの高い専門性をもつ科目も配置しています。科目とその簡単な内容については科目一覧にまとめられています。
修士課程においては、必修科目と専門科目を合わせ、30単位以上を修得しなくてはなりません。必修科目は、地球惑星科学論文講読I(2単位)、地球惑星科学コロキウムI(2単位)、地球惑星科学特別研究I(10単位)です。16単位を主に、一般基礎科目、専門科目から履修します。
地球惑星科学論文講読Iは、主に指導教員により組織され、ゼミナール形式で、専門の論文や教科書を講読します。これにより、専門に関する深い理解を得ます。
地球惑星科学コロキウムIは、いわゆるゼミナールのことで、すべての院生は指導教員の組織するいずれかのゼミナールに参加することが義務づけられています。
定期的に研究発表をおこない、成果をまとめること、他のひとからの意見や助言をうけること、他の院生や教員の発表に対して発言すること、その中身について知識を深めることを行います。
地球惑星科学特別研究Iは、いわゆる修士論文のことで、2年間における研究成果を、最終的に修士論文として提出します。修士論文は、関連する3名の教員によって査読されるとともに、2月に開催される修士論文発表審査会において、多くの教員の審査を受けます。これに合格することで、最終的に修士号が与えられます。
大学院博士課程においては、修士課程で修得した広い視野と深い専門知識を活用して柔軟で創造力あふれる発想を養うとともに、その発想を元に独創的な研究を行ない、成果を国際的な場で発表、議論することができる、創造性と国際性にあふれる研究者の育成を目指しています。学生の自主性が存分に発揮できるコロキウムを博士課程教育の重要部分として位置付けています。
また、博士課程1年次においては国際的な場で活躍するために必須の英語のスキルを身につける科学英語実習が開講されており、これを受講することが強く奨励されています。
博士課程においては、必修科目と専門科目を合わせ、20単位以上を修得しなくてはなりません。
必修科目は、地球惑星科学論文講読II(2単位)、地球惑星科学コロキウムII(2単位)、地球惑星科学特別研究II(10単位)です。
6単位を主に科学英語実習、専門特論、先端科目から履修します。
地球惑星科学特別研究IIは、いわゆる博士学位論文のことで、国際的な研究成果の発表能力の涵養を目指して、博士論文提出に際しては、その学生が第一著者である論文が国際誌に出版されていることを条件とし、博士論文は英語または日本語で執筆しますが、英語で書くことが強く奨励されています。
博士論文は、提出の約1~2か月前に開催される学位論文提出審査会において発表し、多くの教員の審査を受け、合格すると、論文執筆が許可されます。
提出された論文は、関連分野の教員5名(専攻あるいは東大外部の専門家も含む)以上から構成される学位審査委員会により、厳格な審査をうけます。これに合格すると、博士の学位が授与されることになります。