学生の声

大学院での生活

土屋 主税(大気海洋科学講座・修士2年)

研究室を選ぶ参考になればと、大学院の講義、ゼミを中心にした生活と、研究室選びの迷いについて書きます。

時間割

修士2年夏学期までの時間割表をつくってみました。
内部進学なので、大学院の講義のみをとっています。他大学や他の専門分野から修士過程に進学したひとは、このほかに学部、大学院共通講義、たとえばM1の夏学期では、地球流体力学I、気象学、海洋物理学、地球惑星数値計算などの講義をとっていました。

M1の夏学期は、学部生の計算機演習のTAをやっていて、昼間の時間をまとまってそれに割いていたので、ゼミの発表の準備や研究は、昼間の講義の合間というよりは夕方以降取り組んでいました。

教科書読みのゼミ(大気科学ゼミナール)は、準備にかなりの時間を割きます。担当の箇所の中で考えることが多く、先生たちからの鋭い、教育的なツッコミが入ります。
昼ゼミは佐藤研の内部で持ち回りで、自分の研究に関連する論文を読んで紹介するものです。論文を批判的な眼できちんと読みこなす訓練になっています。

修士1年のあいだは、指導教員に週1回ディスカッションの時間を割いていただいていました。右も左も分からない研究を、前進させるいいペースメーカーになっていました。

冬学期は夏学期に比べて少し講義が増えましたが、TAがない分昼間にも自分の勉強、研究の時間をとっていました。

修士2年になって、佐藤研の新しいゼミ(先端データ解析ゼミ)が始まりました。予習にも、復習にも、ゼミの時間自体にも非常に多くの時間を割いています。修士論文に繋がる解析方法についての教科書なので、全力で身を投じています。4年生の演習を兼ねて、モンスーンのレビュー論文を読むゼミにも参加しています。

忙しさ

修士の院生の忙しさには波があります。私の場合は、英語を読む速度がとても遅かったこともあって、教科書読みのゼミの担当が当たると、ほとんどそれにかかりきりになって、レポートなどが重なると大変でした。学会の発表準備や予稿の提出にも、それだけで手一杯になりました。逆に、一週間のうちに3つのゼミの担当が当たって、何とか乗り切ったこともあります。忙しさの程度については、卒業研究や発表の追い込みで徹夜で解析をしたり、作文をしたりする経験があるかとおもいます。そのときの忙しさと同等くらいの忙しさを、何度か経験しました。ただ、修士に上がって、同じ部屋に講座の先輩がいる環境になったことで、プログラミングなどを先輩に聞きやすくなって、大変さの度合いは少し軽減したような気がします。

研究室選び

大学に入ったら気象学をしようとだけ思っていて、大学院入試が近づいていても対流圏をやりたいのか成層圏をやりたいのか、など、具体的な興味はまったく決まっていませんでした。学部のころから、実験の折や説明会やオフィスに伺ったときに、何人かの先生のお話を聞いていました。先生方のお話はどれも楽しそうなのですが、その研究の意義をわかったり、自分のテーマとしてそれがおもしろいと思うのはもう少し学んでからなのだろうという予感ばかり感じていました。その予感は、研究室を選ぶ迷いに繋がると思います。

でも、修士に進学して、勉強を重ねても、実は同じような感覚を覚える場面がけっこうあります。それは、たとえば、学会発表を終えて、次のテーマに移るときです。右も左も分からず論文を読んで、なにがおもしろいか分からない、ちょっとしんどい時期です。これを過ぎて、自分の手を動かせるようになると、新しいテーマが身についてきて、とてもおもしろくなります。上の予感は、新しい未知のテーマに向き合っている証拠だと思うので、おもしろいと思えたテーマには、飛び込んでみるのがいいと思います。お話を伺った先生方は、よく顔を覚えてくださっていて、進学後もよくしていただいているので、テーマが決まらない場合でも、おもしろそうなテーマに出会えるよう、研究室訪問をたくさんするといいでしょう。