学生の声

他分野からの進学

原田 千夏子(気候システム研究センター (現:大気海洋研究所)・博士2年)

注:以下の原田さんはたまたま新領域研究科の学生ですが、地球惑星科学専攻に入学しても気候システムセンターで同じ研究が出来るということで、学科の枠にとらわれずに幅広く他分野の研究者と交流しながら研究できる例として掲載しました。以下の文章は、地球惑星科学の大学院生の、研究生活の一例としても読んで下さい。

気候システム研究センター(以下,CCSR)の原田千夏子です.私は東大大学院の新領域創成科学研究科環境学専攻(以下,新領域)の博士課程に在籍しています.研究テーマは「乾燥・半乾燥地の気候変動に関する研究」です(図1).

新領域には修士課程から入学して,そのまま博士課程に進学しました.そのため,私がここに書いた研究室での生活というのは,修士だけで卒業して就職した人とはちょっと違う可能性があることを最初に断っておきます.

研究室の決め方

まずは大学院に入学した時の話から始めます.修士課程では,自分の研究目的を決めて,方針を決めて,作業をこりこり進める.そして2年で研究内容をまとめ,修士論文を書かなければなりません.

新領域を受験しようと決めた後,自分なりに文献を調べて,最も興味がある問題について考えをまとめ,指導していただきたい教官の研究室に出向きました.そこで「私はこういう事に興味があり,このような研究をしてみたいのですが」とお話し,現在その分野ではどんなことが問題となっているかを詳しくお聞きしました.新領域では入学試験で研究計画を書かなければならないので,先生のお話を参考にして,自分の研究課題とその作業方針をもう一度練り直しました.それでも今振り返ると,この時点での研究計画はまだまだ甘いものでした.実際に研究目的がしっかりと固まったのは,入学してから1年後くらい,つまり修士2年になる頃でした.

研究室生活

大学院に入学するとどんな生活が待っているのか?大学院生も規定の単位を取得しなければ卒業できませんので,授業に出席します.そのため,1年生の時は週に4日位本郷に通っていました.教官の講義を聞く授業の他に,学生が各自の研究内容を発表する必修のゼミが(私の場合は)二種類あって,合計月に6回あり,パソコンやOHPを使って発表したり,他の学生の研究発表について質問をしたりします.博士課程に進学してからは授業はほとんどありませんが,ゼミは出席しています.

私が出席しているゼミの一つは私が所属している新領域の全体ゼミです.環境学専攻の地理,農系,緑地,海洋など幅広い分野の教官