生活・就職について

Q.東京大学での勉強に興味があるのですが、生活費や授業料を含めた費用が高くかかりそうで、迷っています。大学院での奨学金やアルバイトの現状はどうでしょうか?

大学院では、授業や研究で忙しいので、アルバイトに長時間を割くことは実質的にできません。そのためアルバイトといっても時給の高い家庭教師などに限定されているようです。週1-3回の家庭教師などをしている学生はいます。ティーチングアシスタント(TA)に採用され、学部授業や実習、実験の補助をおこなっている学生もいます。大学の教育に関わるということで、責任はありますが,基礎の復習もできるというメリットもあります。奨学金は日本学生支援機構の奨学金に応募することができます。博士課程では、日本学術振興会の特別研究員として給料と研究費をもらい、研究に集中できる権利を得ている学生もかなりいます。博士1年からのコースは毎年修士2年の5月頃に募集があります。また、その他,民間団体の奨学金を給与されている学生もいます。住居費は、住む場所によってかなり違いがあります。本郷キャンパスの周囲は安くないですが、常磐線や京成線の下町方面や西武・東武線方面は比較的安いでしょう。東京大学の寮は大学院生でも入寮することができるので、住居費を抑えようとする場合は検討に値します。

 

Q.大学院ではどんなふうに勉強しているのでしょうか?

多くの院生は、院生部屋に机と書棚を与えられます.研究室にもよりますが、パソコンも与えられることが多いようです.だいたいの学生は、朝10時頃来て、夜7時-11時くらいに帰宅しているようです.講義の無い時間は院生室で勉強したり研究しています.また実験を行っている学生は、実験室で過ごす時間がだんだんと長くなってきて、実験の合間に論文を読むということもあります。

 

Q.ズバリ、就職は大丈夫でしょうか?

地球惑星科学専攻として就職の紹介や斡旋等は行いませんので、基本的に各自で就職活動を行って下さい。就職が決まるまでには、結構時間がかかる場合が多いようですが、最近は景気が改善し、企業の採用も増えているようですので、就職希望者はしかるべき所に就職できているようです。詳細は、就職情報をご覧下さい。

 

Q.将来、研究機関で自分の力を発揮したいのですが、大学以外にはどのような場所があるでしょうか?

地球惑星科学は、自然環境を取り扱うため、国公立の研究機関が数多く存在します。気象庁やその傘下の研究所は、大気、海洋、地震、火山などの分野で多くの人材を有しています。その他にも、産業総合研究所、国土地理院、国立環境研究所、海洋技術センター、防災科学技術研究所、宇宙航空研究開発機構、海上保安庁水路部などが大きなところです。このような研究機関に本専攻のOBも多く活躍していますし、教員の中にも勤務していた経験のある人がいます。

 

Q.女子学生です。最近は大学院へ進学する女子学生も増えてきたと聞きますが、まだ研究者になるチャンスは少ないのでしょうか。また、その他の分野でも就職は難しいのでしょうか。

地球惑星科学専攻の場合は、大学院になると女子学生の割合はむしろ増加します。博士でもその傾向は変わらないようです。最近では、本学を出てすばらしい博士論文を書き上げて、研究者になり、大学や研究機関で活躍する女性も増えてきました。本専攻のグループに所属する教授・准教授では8名が女性です(佐藤薫教授、関華奈子教授、阿部彩子教授、沖野郷子教授、高藪縁教授、武井康子教授、山室真澄教授、市原美恵准教授)。

 

Q.留学や海外での研究のチャンスはあるでしょうか?

あります.1年程度外国の研究室に滞在する場合、そして修士課程を終えたあとに外国の大学院に進学する場合があります。たとえ、大学院の間は日本で研究活動を行った場合でも、若いうちに数年間海外の大学や研究機関で研究を行うことは、多くの分野で推奨されています。もともと、地球を相手にしているために、世界中の研究者に触れる機会の非常に高い分野です。また、大学院生でも外国の学会やシンポジウムで発表を行う機会は増えてきました。そのためにも、英語の勉強はした方がいいでしょうね。

 

Q.海外での野外調査に興味があるのですが、大学院のときには可能ですか?

可能です.最近は、海外野外調査で修士論文や博士論文を書くケースが増えてきました。海外プロジェクトの一部を担う形で研究が行われる場合は、旅費や滞在費のサポートを受けられます。