爆発現象フレアと粒子加速

太陽活動が極大期に近づくと、コロナでは頻繁に爆発現象が起きます。 その結果、電波からガンマ線までの幅広い波長にわたって電磁波の増幅が起き、また 宇宙線の増加がおきたりします。このような爆発現象はフレアと呼ばれており、現在の 太陽系における最大級のエネルギー解放現象です。この現象は、コロナ中に蓄えられた 磁気エネルギーが磁気リコネクションという機構で一気に解放される現象であるという ことが「ようこう」などのX線観測衛星によって確定視されてます。しかしいっぽうで磁気リコネクションの物理理論はまだ完璧ではなく、特にコロナのような環境、つまり 磁気拡散に要する時間(数百万年)が、実際のフレアの時間や動的な時間(数分)に 比べて極端に大きな環境でどうやって爆発的な解放をおこなえばよいのかというところ はまだ謎になっています。またフレアにともなって電子や陽子が光速近くまで加速される ことがわかっていて、その全粒子の総エネルギーが解放される磁気エネルギーの半分 近くに達するという研究者さえいます。しかしその加速物理機構はまだまったくのなぞ になっています。

 

1992年2月21日フレアのカスプループ画像

1992年2月21日フレアのカスプループ画像
(ようこう軟X線望遠鏡で撮像:宇宙研提供)

 

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