地球磁気圏

太陽風によって地球磁場は夜側に引き伸ばされ、吹流しのように長い尻尾をもった構造が出来ます。 これを「磁気圏」と呼び、太陽風の領域に対して地球磁場の支配する領域のことです。 地球磁気圏が遮る太陽風のエネルギーは10^10ワットにも達します。 さて地球磁気圏の夜側には、地球の磁場極性が反転し磁場がゼロになる領域がありますが、そこには数百万度から1千万度の高温のプラズマが蓄えれています。 この夜側に延びた磁力線に囲まれたプラズマシートは、オーロラや磁気嵐などのエネルギーの貯蔵庫になっておりますが、どのようにして高温プラズマシートが形成されたのか、またどのような条件の時にプラズマシートのエネルギーが解放されるのかは未だわかっていません。
太陽フレアにおいても黒点磁場のエネルギーが解放されて爆発的現象がおきていますが、物理過程としてみたとき相互に関連しているのかどうか詳しい研究が進んでいます。

夜側の磁気圏は、太陽風磁場によって引き伸ばされ磁場の極性が反転する領域があ り、この磁場の壁によって高温プラズマを閉じ込めている準安定な「プラズマシート」 と呼ばれる領域があります。そこでのプラズマ温度は、1千万度を超える高温になって いますが、この高エネルギーのガスは、例えば、オーロラ現象や磁気嵐などのエネル ギー源になります。秒速数百Km/sで流れる太陽風の運動エネルギーが熱エネルギーに 変換されるとおよそ1千万度になりますが、そのエネルギーの変換メカニズムや準安定 な高温プラズマシートが出来るかはまだ謎に包まれています。高速の太陽風とほぼ静 止した磁気圏内のプラズマが接する速度境界での「ケルビン・ヘルムホルツ不安定」 が大切な役割を果たしていることが分かってきています。

地球磁気圏の大域的数値シミュレーション

地球磁気圏の大域的数値シミュレーション
(名古屋大学STE研 荻野竜樹博士提供)

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