動かざること山の如しと不動なものの代名詞であったこの地球も、実は長い時間をかけて進化し、現在でも活発に変動をしています。それでは地球は、一体どのような物質で構成され、どのような構造を持ち、どのような運動をしているのでしょう? それらの課題を研究し解明していくのが固体地球科学です。方位磁針が北を指すのも、時に甚大な被害をもたらす地震や火山の活動も、生きている地球の一側面なのです。
[ 写真1 ] アメリカ・グランドキャニオン。
その生成事由の根本的な解明は今後の課題である。固体地球の進化と発展の歴史が、この20億年に亙る地層に刻み込まれている。
[ 図1 ] コアの運動によって生じる地球磁場の模式図。
コアの運動は短い時間で変化してしまうが、その変動と進化の歴史は地球の各地に保存された岩石から読み取ることができる。(図は現在の地磁気の構造を磁力線で表現したもの。コア表面における色の違いは、磁場の動径成分の強度をあらわしている。)