地球科学の最大の目標の一つが、地球の歴史を明らかにすることです。地球の歴史は一回きりのものですので、進化論と同じく再現実験ができません。そこが化学や物理学と根本的に異なる点で、地球科学の醍醐味でもあります。
地球の歴史は、第一義的には地球形成時の集積熱などを地球外へ放出する地球の冷却過程として捉えることができます。しかし、その冷却過程の中で様々なことが起こってきました。まず 46 億年前の地球形成後まもなくコアとマントルが分離します。35 億年前までには生命が誕生し、プレート・テクトニクスも開始します。25 億年前には巨大な大陸が形成され、コアの冷却に伴って内核も成長し始めます。6 億年前になると突如多様に進化した生物が出現し、2.5 億年前に生物種の実に 96 %が絶滅したりもしますが、現在では人類も含め豊かな生物相を育むに至りました。
上のシナリオは、まだまだ不確定なものです。けれども、我々の住む地球はどのようにして現在の姿となったのか、そして今後どのように変化していくのか。それは、今後とも発せられ続ける根元的な問いでしょう。