地球惑星物理学科の3、4年生が、2011年度の五月祭で、実験・展示を行いました。
私たちは、4年生での五月祭における研究発表に向けて「ゆっくり地震」というテーマを選びました。この「ゆっくり地震」という現象は、約10年前に発見されたばかりの現象で、世界中の研究者がどんどん研究に乗り出していて、盛んに研究されている分野の1つです。本学でも、地震研究所や理学系研究科の先生や院生の方々が研究しています。「ゆっくり地震」とは、主に巨大地震の起きるような沈み込み帯で発生する、ゆっくりとした地殻変動や低周波成分の卓越した地震・微動などを総称したものです。私たちは理学系研究科の井出先生のご指導のもと、「ゆっくり地震」の研究を行い、研究の最前線を体験することができました。そして、その成果を日本地球惑星科学連合大会という学会と五月祭で発表し、たくさんの方々に聞きにきて頂けました。3年生の間は授業としての本格的な研究はありませんが、先生方は協力してくださるので、やる気さえあれば研究の最前線に飛び込むことができます。(矢部 優)
ゆっくり地震の実験 |
説明風景 |
2011年度の五月祭では、竜巻発生のメカニズムをテーマに展示・発表をしました。この展示のため私たちはまず、竜巻を生み出すことが多い「スーパーセル」と呼ばれる巨大積乱雲の発達機構や、その振る舞いを学ぶために、スーパーセルについて書かれた論文を精読するところから始めました。昼休みや、授業の空き時間に皆で集まっての輪読は大変でしたが、このことを通じ、全員が自信を持って発表出来る知識を得られました。また、コンピュータを用いたシミュレーションや、小さな竜巻を再現出来る実験装置を使っての展示も行いました。私たち学部生の力だけでは、難しい部分もあったのですが、先生方や院生の方々の多大なるご助力を得て実現することが出来きたのです。五月祭では、普段の授業では中々実感出来ない、「自分たちでテーマを探し、発表のための研究や実験を行う」ことの一端を学ぶことが出来たと思います。そして何より、皆で何かを成し遂げることの楽しさこそ、最大の収穫でした。(末木 健太)
竜巻の実験 |
説明風景 |
五月祭の発表では2010年の猛暑についての考察と、2011年夏の予報実験を行いました。猛暑の解説では、地球などを使って小さい子にも分かるような説明を心がけました。年齢を問わず興味を持って頂けるテーマだったようで、説明するのがとても楽しかったです。また2011年夏の予報実験を行うにあたり、大気海洋講座の中村尚教授、東塚知己准教授のご指導のもと、最先端のモデルを扱うことが出来ました。このように、意欲があれば研究の最前線の内容を扱える環境があることが、この学科の大きな魅力だと思っています。また、来場して下さった方と科学を通してコミュニケーション出来たことは、非常にいい経験になりました。 (澁谷 亮輔)
異常気象のメカニズムを説明する模型 |
説明風景 |