教育・カリキュラム

地球惑星科学は、地球・惑星・太陽系の過去(起源/歴史)・現在・未来のすべてを解きあかそうとする学問なので、その性格上、広範な科学的知識とそれを活用する能力が不可欠な分野です。 この分野を志望する諸君に対し、本学科では物理学を基礎とした研究学習能力を陶冶する機会・舞台を提供しています。

地球惑星物理学は物理学を使って地球や惑星上に生起する諸現象を解明する学問分野ですから、数学や物理学が基礎となっていることはいうまでもありません。 したがって教養学部第2学年専門科目及び第3学年の間は、特に物理学の基礎的な科目、物理数学や量子力学、統計力学などを学習します。 この際には、理学部物理学科や天文学科と同じ講義を受講します。 第4学年では実際に地球や惑星上で生起する様々な現象とその原理について、広く基礎を学習します。

■ 教養学部Aセメスター(第2学年)  

教養学部第2学年専門科目では、物理学を学ぶ上で基礎となる科目に重点を置いて学習します。また、演習科目も重視されます。物理学や数学の基礎は、繰り 返して演習し身につけることが重要だからです。また、第3学年以降の専門科目を学ぶ上での導入講義が選択科目として開講されています。

講義シラバス(第2学年専門科目)

■ 第3学年・第4学年  

第3学年では、地球惑星物理学の基礎的な科目を学習します。地球惑星物理学は巨視的な物体を取り扱うことが多いため、巨視的な物体の物理学の基 礎となる科目です。この段階で学習する内容は地球への応用のみならず、日常的な応用範囲も非常に広いものです。3年時に学習する基礎的科目は、将来、地球 惑星物理学のどのような分野を目ざすにしろ、基礎として学修が推奨されています。

また第3学年では、実験(地球惑星物理学/化学実験)・計算機演習(地球惑星物理学演習)・観測実習(地球惑星物理学観測実習)が開講されます。地球惑星物理学では実際に地球や惑星を観測したり分析したりすることが重要ですが、そのための基礎的な実験技術の修得のために、地球惑星物理学実験と地球惑星化学実験とが開講されます。また、地球や惑星上での現象は規模が大きく、容易に実験ができないこともあるために、数値実験は古くから重要な技法となっていました。数値実験の基礎的な技術を学ぶために地球惑星物理学演習が第3学年で開講されます。また、地球惑星物理学では観測データがその進展を支えています。観測データを実際の現場で取得することで観測の意義を学ぶ観測実習も開講されます。

第4学年では、第3学年までで身につけた物理学の考え方を基礎として、実際に地球や惑星上で生起する様々な現象とその原理について学習します。将来的にいろいろな専門分野に入っていく上での基礎となる講義です。地球惑星物理学科では、学部の段階では専門を絞り込まないため、地球や惑星上で生起する様々な現象の基礎を広く学ぶことができることも大きな特徴です。  

地球惑星物理学科には卒業論文や卒業研究はありませんが、それに代わるものとして、地球惑星物理学特別演習・地球惑星物理学特別研究が開講されます。第4 学年Sセメスターには地球惑星物理学特別演習が開講されます。ここでは論文の講読を中心として論理的なまとめ方、発表の仕方についての基礎的トレーニングが行われます。第4学年Aセメスターには地球惑星物理学特別研究が開講されます。ここでは1-2名程度の小グループに分かれ、それぞれ特定の興味あるテーマを選び、教員のアドバイスを受けながら主体的に問題を解決していく中で、地球惑星物理学における研究のプロセスを体験します。これらの科目のしめくくりとして、各学期の終りには、成果を発表する機会が設けられています。

■ 講義シラバス・時間割(第3学年・第4学年)

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