駒場生のための科目選択の手引き・要求科目と要望科目

■ 科目選択の手引き

地球惑星科学は、地球・惑星・太陽系の過去(起源/歴史)・現在・未来のすべてを解きあかそうとする学問なので、その性格上、広範な科学的知識 とそれを活用する能力が不可欠な分野です。  地球惑星物理学科に進学を志す諸君には、以下に示すように、数学、物理学、化学 の基礎を身につけておくことを期待しています。いずれの科目も講義とならび演習をしっかりやっておくことが大事です。教養学部で開講されているいくつかの 科目について、地球惑星物理学を学習するという視点から解説をしておきます。

1.基礎科目

外国語

国際的に活躍するためには十分な英語能力が必要です。最新の研究成果は主に英文の科学雑誌に論文として掲載されますので、多くの場合、必要な読解・作文能力は研究活動を通して身につけることができます。一方、会話能力の向上には早期からの努力が肝心です。

基礎講義

地球惑星物理学において、数学は有力な『手段』を、物理学は『考え方』の基礎を提供します。進学には、数学・物理学の習熟が必須ですが、地球や惑星の諸現象の理解には構成物質を化学的に考察することが重要であることを特記しておきます。

基礎実験

地球惑星物理学において、実験・観測は数学とともに有力な『手段』の一つです。 実験機器の取り扱いに慣熟するとともに、測定原理をよく理解して実験を行う習慣を身に付けて下さい。原理の理解なくして優れた実験的研究を行うことはできません。

2.総合科目

微分積分学続論、ベクトル解析

解析学の続きです。この部分の解析学は流体力学や電磁気学といった『場』を取り扱う物理学で必須の道具になります。地球惑星物理学でもいろいろな場面で現れますが、特に大気・海洋や宇宙空間の物理学の理解には必要になります。

常備分方程式

多くの自然現象が微分方程式という形で定式化されます。現象を表す微分方程式を作り、それを解くという行為は、数理的な自然現象理解の標準的な方法の一つです。 自然現象を記述する多くの微分方程式が常微分方程式に変形できることが多く、常微分方程式の理解は地球惑星物理学のすべての分野において理論を理解する上での基礎となります。

熱力学

熱力学は物質の状態とその変化を、圧力や温度など巨視的な量を用いて考察する学問体系です。地球や惑星の形成・進化は、熱と物質の移動と変化の 歴史であり、それを探求し理解するために熱力学は必要不可欠です。熱力学を通して学ぶ現象論的な手法は、複雑な対象を扱う地球科学全般において極めて有用 です。

振動・波動論

地球惑星科学の対象には様々な振動・波動現象が存在します。日々の天気を支配する高低気圧は大気中の波動であり、数年単位の気候に影響を与えるエルニーニョといった現象には海洋中の波動が重要な役割を果たしています。地震波を用いた地球内部構造探査などの応用的な研究も盛んで、地球惑星科学を学ぶ上で必須の学問分野であると言えます。

地球惑星物理学入門、惑星地球科学 I・II・ 実習、宇宙科学I・II

各人の興味に応じて履修することをお薦めします。特に、進学後のカリキュラムが講議中心となりますので、体験学習が可能な実習を履修すると良いでしょう。地球惑星に実際に触れることが極めて重要であることは強調するまでもありません。

 

■ 要求科目

平成27年度以後入学者
■ 要求科目
<文科全類>
(1)基礎科目(数理科学)
「数理科学基礎, 微分積分学, 線型代数学」(計8単位)
(2)基礎科目(物質科学)
「力学, 電磁気学, 熱力学または化学熱力学」(計6単位)

平成26年度以前入学者
■ 要求科目
(1)基礎科目(数理科学)
「数学I, 数学II」(計8単位)
(2)基礎科目(物質科学)
「力学, 電磁気学, 熱力学または化学熱力学」(計6単位)



■ 要望科目

平成28年度以後入学者
総合科目E
 振動・波動論、統計物理学、
 惑星地球科学I(理科生)、
 惑星地球科学II(理科生)、地球惑星物理学入門、
 宇宙科学I(理科生)、宇宙科学II(理科生)、
 惑星地球科学I(文科生)、
 惑星地球科学II(文科生)、宇宙科学I(文科生)

平成27年度以前入学者
総合科目E
 統計物理学、惑星地球科学I、惑星地球科学II、
 宇宙科学I(理科生)、宇宙科学II(理科生)、
 振動・波動論

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