テーマ:雲画像解析による金星気象研究
氏名:武藤 圭史朗(2013年度進学)
担当教員:今村 剛
【内容】
金星のアルベドは波長によって大きく異なります。その中でも可視光域は比較的アルベドが高く、紫外領域で見られるような縞模様はほとんど見られません。今回は可視光域で見られる数少ない構造の1つであるPolar ovalと呼ばれる環状構造に関して研究を行いました。Polar ovalは金星の極域に見られる環状構造なのですが、可視光域での観測ということもあり、昼面のみの形状しかわかっておらず、夜面も含めた全体の形状や生成メカニズムなどはわかっていません。今回の演習、研究では欧州宇宙機関の衛星であるVenus Expressに搭載されているVMCというカメラが撮影した画像を用いてPolar ovalの全体形状の復元を行い、その形状の時間変化について調べました。
【感想】
まず、論文や本を読んで基礎的な知識を身につけた後、生のデータを利用して解析を行いました。観測データは欠損やノイズも多く時間変化を見るにあたってどのように扱えばいいのか難しかったのですが、先生の手助けなどもあり徐々に扱い方などを理解することができました。また、発表のスライドを作るにあたってはどのように作ればわかりやすいかなどを教えて頂き、今後の参考になることを学ぶことができ、大変有意義な演習でした。
図1:東西移流を利用して再現したPolar ovalの全体形状
図2:Polar ovalの変化周期の時間変化