4年生演習:沼田実穂

 

テーマ:原始惑星系円盤の散逸

 

氏名:沼田 実穂(2012年度進学)

 

担当教員:生駒 大洋

 

【内容】
 原始星を取り囲むガスは原始惑星系円盤を形成することが知られており、太陽系の惑星形成を理解するにはこの円盤の進化を理解する必要があります。原始惑星系円盤の進化メカニズムとして粘性による散逸がこれまで提唱されてきましたが、散逸時間など太陽系形成のモデルとの整合性が問題となっています。そこで新たな散逸メカニズムとして考えられるのが、「光蒸発」すなわち中心星からの光子により水素原子が電離し散逸するというモデルです。本研究では、粘性拡散と光蒸発の二つのメカニズムの競合するモデルとして原始惑星系円盤の散逸をシミュレーションしました。

 

【感想】
 今回の特別研究では論文をもとに数値シミュレーションのプログラムを一から書くという作業をしました。論文に書かれている数式を理解しプログラムにするのに苦労しましたが、これまで授業で習ってきた内容がどのように研究に生きてくるかを知ることができ、また問題に対してどのようにアプローチすべきか、モデルがどのように組み立てられているか、そして結果をどのように解釈していくかを学ぶよい機会となりました。

 

図1:EUV光子による光蒸発パラメタ1:α=0.01, Mdisk (0)=0.1Msunとしたときの、時刻 t=105, 106, 107, 5×107, 108, 1.2×108, 1.4×108 [yr]におけるディスク表面密度Σ[g/cm2]の分布。横軸は中心星からの距離[AU]。

 

図2:EUVによる光蒸発2パラメタ2: α=1.0×10-3, Mdisk (0)=0.01Msunとしたときの、時刻 t=106, 107, 108, 3×108, 5×108, 5×108,8×108 , 109 [yr]におけるディスク表面密度Σ[g/cm2]の分布。横軸は中心星からの距離[AU]。

このページの先頭へ