テーマ:
氏名:稲川 聡(2010年度進学)
担当教員:鈴木 岳人、並木 敦子
【内容】
断層が動いて地震が起きる事は日本に住んでいる皆さんなら良くご存じです。何か力がかかって断層が動くと考えられますが、断層を動かす力の分布を我々は良く知りません。ところで、断層を良く観察するとその周辺に細かな割れ目(微小亀裂)が数多くある事がわかります。他の所にはない微小亀裂 が断層の周辺に限ってある訳ですから、この分布は断層に関係する何かを表していると考えられます。そこで微小亀裂の分布から断層を動かす力の分布 を推定しようと試みました。断層が伸びる方向に断層を動かす力がだんだん小さくなると仮定して微小亀裂の分布を推定したところ、これまで(図a)より野外で観察される分布に近くなりました(図b)。断層を動かす力の分布を知る為の足掛かりとなる、とても面白い結果を得る事ができました。
【感想】
今回、断層面外の微小亀裂について研究しました。私の場合、学生1人に先生2人という個別指導塾も驚きの指導体制で週3回1時間前後、研究について話を聞いてもらっていました。微小亀裂の分布をコンピュータで色々な仮定条件を与えながら計算していくのですが、条件を変える度に分布の形も扇形だったり、三角形だったり、あるいは一定の幅で伸びたりと様々に変わっていきました。色々な仮定条件の中で、キチンとした物理的な背景がある条件の時ほどシンプルで見た目がきれいな微小亀裂の分布が生まれてくることが印象的でした。