卵 東京大学理学部地球惑星環境学科
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メンバー紹介: 荻原 成騎

所属:地球惑星科学専攻 地球生命圏科学講座
専門分野: 有機地球化学
電話番号:(03)5841-4524
e-mail:
建物・部屋番号:理学部1号館C棟階・533号室
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自己紹介
私達の研究室では、有機地球化学という聞き慣れない分野について研究を行っています。地球科学で有機物を研究というと、石油や石炭などの炭化水素鉱床を思い浮かべる方が多いかと思います。私も学生時代は石油などの燃料鉱床について勉強して来ました。しかし、近年の分析機器の発達により、以前では考えられなかった複雑な有機化合物を手軽に分析できるようになりました。そのため現在では、有機分析を地球環境研究分野に応用して研究を行っています。

研究のトピック
化石という言葉を聞くと、アンモナイトや恐竜など目に見える、場合によっては手でさわることのできる太古の生物の遺骸を思い浮かべることでしょう。
これに対して、我々の研究室で扱っているのは、目で見たり手で触ったりできない化学化石、すなわち有機化合物です。化学化石とは、一端は生物の体を構成した物質であり、基本的に目に見える化石と何ら変わりはありません。それどころか、通常の化石としては残らないバクテリアなどの微生物が化学化石として残ります。化学化石の研究は、たとえば地質時代にどのような微生物が繁茂していたかという、地球科学にとって非常に重要な情報を提供してくれます。
生命の起源に関する研究にも化学化石の研究は役立ちます。微生物を構成していた有機化合物は、意外に長時間、何億年もの間、ゆっくりと構造を変えながら地層中に存在していることが知られています。これを岩石から抽出して分析します。
地球上に生命が誕生したころの環境は、非常に高温でした。現在の地球にも全く同じ環境の場所があります、それは温泉です。太古の地球に発生した微生物の化学化石を研究するためには、まず現世の微生物を研究することが重要です。温泉に生息する微生物を採集し、含まれる有機化合物を分析します。海外の温泉にまで出かけて行って試料採取を行います。
化学化石には地質時代の環境指標となる化合物が数多くあります。これを用いて古環境復元を行っている研究者もいます。しかし、我々の研究室ではこの種の研究は行っていません。我々の興味は、有機物そのものにあります。
岩石中にある有機化合物が何処から来たのか、起源はなんなのか、起源となった生物が死んでからどのような構造変化をして現在の形になったのか。こういったテーマで研究を行っています。最近は、有機化合物の構造だけでなく個別同位体組成まで測定できるようになり、研究分野がどんどん広がっています。
学生さんへ一言
有機地球化学という言葉は、有機化学の仲間のように聞こえるかもしれませんが、実は分析化学に近い分野です。有機化学に自信がなくとも、全く問題ありません。
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