21世紀を迎えたいま、人類は地球環境の危機に直面しています。私たちは自らの知恵と力によってその危機を解決できるか、その真価が問われています。
しかし、これまでの地球環境問題への取り組みは、個別の問題に対する対処療法がほとんどで、地球と生命の複雑な相互作用を十分に理解したものであるようには思えません。現在や将来の地球環境を考えるためには、地球を大気-海洋-固体-生命の織りなすひとつのシステムとしてとらえ、さまざまな時間・空間スケールでの挙動とその変動メカニズムを理解することが重要です。
地球の歴史において実際に生じたさまざまな地球環境変動の理解は、現在の地球の理解につながり、さらには未来を考える上での重要なヒントを与えてくれるはずです。
地球惑星環境学では、地球や惑星とその環境の進化・変動、生命の誕生・進化・絶滅、そしてそれらの相互関係を実証的に解明していきます。
自然科学的立場にたって、過去から現在にいたる地球や惑星の環境をさまざまな時間・空間スケールでとらえ、その変動や変化を支配する物理・化学・生物の法則を理解することは、現在や将来の地球環境を考える上でも重要です。
地球惑星環境学科では、こうした思考を身につけるため、地球や惑星を構成する物質、過去の地球環境変動を記録した地層、生物進化を物語る化石などの観察や分析、あるいは現在の地球環境の観測や生態系の観察などを通じた、自然現象の実証的な理解と、それに必要な基礎学力と論理的思考の育成に重点をおいた教育 を行います。