テーマ:長周期微動による阿蘇山の 火山活動モニタリング
氏名:向井 優理恵(2014年度進学)
担当教員:小原 一成・竹尾 明子・前田 拓人
【内容】
2014年から2015年にかけて阿蘇山で活発な火山活動が観測され、多数の長周期微動が発生しました。この長周期微動は、火山性流体が火道を 通過するとき、壁と弾性的相互作用を生じることによって発生していると考えられています。しかし、阿蘇山の一連の挙動を説明するモデルはまだ完全には構築されていません。この研究では、阿蘇山の長周期微動をマッチドフィルター解析によって検出し、その個数や振幅、規模別頻度分布の時系列変化を調べることで、噴火と長周期微動の対応関係を調べ、阿蘇山の地下構造モデルの構築や、噴火予知に貢献することを目標としました。解析の結果、噴火前から長周期微動が増加傾向にあることや、連続噴火の中で微動の振幅が一時的に大きく下がる現象が確認されました。
【感想】
初めに論文を読んで基礎的な知識を身につけた後、その内容をもとに解析のプログラムを一から書きました。最初は苦労しましたが、何本か書くうちに慣れることができました。 自作のプログラムで結果が出揃う瞬間は感動的であり、また、それを解釈する過程では、 研究の醍醐味を感じることができました。先生方には、論文の内容やプログラミング、効果的なスライドの作り方を丁寧に教えていただき、大変有意義な特別研究でした。
2014年から2015年の長周期微動検出数(青)とその振幅(赤)。赤三角は噴火を表す。左上図は阿蘇山とそれを包囲する観測網。